ミューザ川崎シンフォ二ーホール
川崎駅西口再開発地区内における2000席規模の国際的なコンサートホールを中心とする川崎市の大型文化施設である。
ホールはフランチャイズオーケストラ(東京交響楽団)を中心に海外からのオーケストラ等の公演をはじめ、ポピュラー音楽系の公演も可能である。
私たちは本計画の構想づくりから、管理運営計画の策定、ホール舞台客席空間、オーケストラホワイエ、楽屋空間及び市民交流室とそのホワイエ等の設計・監理まで行った。また、全体のプランニングに関してもコンサルテーションを行った。
市民利用のための市民交流室(150人収容の小ホール)、練習室、研修室、展示室などの空間を併設するとともに、ホールは2000席でありながら市民利用を想定した1000席、1500席の区分利用にも対応している。
ホールの客席空間は舞台を客席が取り囲むワインヤード形式であるが、他に例のないスパイラル状に上昇していくダイナミックな空間とすることで舞台と客席の近さ、一体感の創出を可能とし、演奏家と聴衆が一体となって音楽をつくりあげる新しい音楽空間を実現している。
20004年7月のオープン以来、ファランチャイズオーケストラである東京交響楽団をはじめ、内外のオーケストラに、空間・音響ともに好評である。特にベルリンフィルハーモニーの公演では指揮者サー・サイモン・ラトル氏より響きとともに空間についても高い評価を得ている。
構 造:鉄骨造 一部鉄骨鉄筋コンクリート造
面 積:17,243.96㎡(文化施設部分の延床面積)
施設構成:コンサートホール、市民交流室、練習室、研修室、展示室等
竣 工:2003年
開 館:2004年
コンサートホール
客 席:ワインヤード形式
舞 台:間口22m、奥行き14m
席 数:1997席(車椅子席10席を含む)
最大視距離:約37m
天井高さ:約22m(最高高さ部分)
パイプオルガン:クーン社(スイス)製、ストップ数71ストップ、パイプ本数5123本
楽 屋:12室(個室楽屋7室大楽屋5室)
掲載誌:新建築2004年4月号